大島恵美医師インタビュー「気軽に相談できる“かかりつけ医”のような存在に」

YOUR FACE CLINIC
2024年5月22日

2024年5月よりYOUR FACE CLINICに大島 恵美医師が復職されました。どんな先生なのか、医師を目指した経緯から特に力を入れている施術、これから美容医療を検討している方へのアドバイスなどをお伺いしました。


YOUR FACE CLINIC
日本形成外科学会専門医
大島 恵美

【経歴】

昭和大学医学部 卒業
東京大学医学部付属病院 初期研修
東京大学医学部付属病院 形成外科・美容外科
埼玉県立小児医療センター 形成外科
東京大学病院 形成外科・美容外科 助教
杏林大学医学部付属病院 形成外科・美容外科
三重大学医学部付属病院 形成外科 助教
新松戸中央総合病院 形成外科長
森ノ宮皮フ科クリニック
東京中央美容外科
YOUR FACE CLINIC

おもちゃは自分で作るもの。細かい作業が好きだった幼少期

先生は小さい頃どんなお子さんだったのでしょうか?

恵美Dr:私の家は父親の方針で「おもちゃは自分で作るもの」と言われていたので、小さな頃からいろんなものを作るのが好きな子供でした。

父が外科医なので、レントゲンフィルムに挟まっていた厚紙が家にたくさんあったんです。それを使っておもちゃを作っていました。

どんなおもちゃを作っていたんですか?

恵美Dr:歯医者さんごっこをよくしていました。厚紙に虫歯の子供の絵を描いて、虫歯のところを濡らして削るんです。最後は削った部分に濡れたティッシュペーパーを詰めていました。

あとは、おままごとセットとか、お人形のお家とか・・・。他にも、厚紙ではないですけど、お人形の洋服を作ったり、刺繍したりするのにもハマっていました。

小さい頃から細かい作業が得意だったんですね。

恵美Dr:何かを作るのが好きでしたね。なので、幼稚園のときは先生になりたかったんです。幼稚園の壁に制作物がたくさん飾られているじゃないですか、うさぎさんとかくまさんとか。それがすごく好きだったので、私もそういのを作ってみんなが喜んでくれたらいいなと思っていました。

父の転勤で山梨へ。自然の中でのびのび過ごした幼少時代。

学生時代の得意な科目は何でしたか?

恵美Dr:得意だったのは国語ですね。あとは、美術、音楽、技術家庭といった何かを作る教科が好きでした。そうしたことから、美術館賞や観劇にはよく連れて行ってもらいました。その中でも小学4年生の時に見た横山大観の生々流転の絵巻は、後に高校の書道でテーマに選ぶほど衝撃を受けたことを覚えています。

音楽は小学校、中学校の時は合唱団に入っていて、高校から大学まではオーケストラでビオラを担当していました。また、幼少から続けていた水泳も好きでした。小学校の遠泳では隊列の先頭を担った責任感と、泳ぎ切った達成感をみんなで分かち合ったことが良い思い出となっています。

中学では生徒会では副会長を務め、合唱ではコンクールで東日本最優秀賞。高校で始めたビオラは大学まで続けた。

医師になろうと思ったのはいつごろでしょうか?

恵美Dr:小学生になって父の仕事を理解してからですね。それまでは、お父さんはお弁当を届けに行く先で働いているとか、当直だから今日はお家にいないとか、そういう漠然としたイメージだったんですけど、小学生になって父のやっている医師という職業がだんだんとわかってきたんです。

歯医者さんごっこをしていたこともあって、最初は口腔外科になりたいなと思っていました。何かを作ることや細かい作業が好きでしたし、私が治療してみんながおいしくご飯を食べられたらいいなと考えていました。

口腔外科ではなく形成外科を選ばれたのはどんなタイミングでしたか?

恵美Dr:口腔外科を目指して歯学部に入ったんですけど、入った年に1ヶ月間海外留学するプログラムがあったんです。そこで、たくさんの先生と話す機会が多くなり、海外での医療の様子を見て、口腔外科に絞ることなく全身を見られるようになりたいなと思ったのがきっかけです。なので、翌年に歯学部から医学部に転部しました。

医学部の中でも形成外科の道を選んだのは、5年生のときに舌の再建手術を見学したことが大きいです。舌癌の患者さんで、背中から組織を持ってきて口の中を再建する手術だったんですけど、オペから1ヶ月の経過をずっと見させていただきました。その患者さんがリハビリをがんばられたこともあって、しっかりとご飯が食べられるようになって退院なさったんです。

背中の筋肉や皮膚が口の中でうまく機能して日常生活を取り戻せたというのがすごく印象に残って、もともと自分が口腔外科を目指していたこともあり、その領域の再建にすごく興味を持ったんです。癌を取り除くだけじゃなく「その後を作っていく」という仕事に魅力を感じて形成外科を考えるようになりました。

大学時代は、白馬診療部にて白馬岳の山荘の診療所に1週間泊まり込み診療の手伝いとパトロールをする夏を過ごす。

美しくて機能的な再建医療に惹かれて

美容外科を意識されたのはいつ頃でしょうか?

恵美Dr:私の出身大学では形成外科と美容外科がくっついているというか、形成外科の先に美容外科があるので、美容の方も少しずつ見るようになっていきました。失われた機能を作っていくときに、最終的に一番良い形って一番綺麗な形に収まることが多いんですよね。

建築家の丹下健三先生の言葉に「美しきもののみ機能的である」というのがあるんですけど、前に本を読んですごくしっくりきたんです。なにかを作っていくときに、美しく仕上げていくというのが機能的でもあり、その人にとってよりよく毎日を生きることにも繋がりますし、何より笑顔になれるのが一番だと思っています。

見た目の美しさでだけはなく、機能的であることが美しさに繋がるんですね。そこで美容医療に興味をもたれたと。

恵美Dr:なので、当時の教授にも「形成外科に入ったあとに美容的なことも勉強できるのでしょうか」とお伺いしました。そのときに「せっかく作っても、ただ動くだけじゃ見た目などの理由で悲しくなって外に出られなくなってしまう。だから、審美的な要素を含めた再建(エステティックなリコンストラクション)をしていくことが求められている」というお話をしてくださいました。実際に普段の手術でそういった部分を見せてくださったので、どこかのタイミングでしっかりと美容の勉強をしたいなと思っていました。

ただ、形成外科の先に美容医療があると私は思っているので、まずは形成外科専門医を取得のためにさまざまな経験を積んできました。そして、専門医を取得後、沖縄県にある当山美容形成外科で美容について勉強させていただきました。

YOUR FACE CLINICで働こうと思った理由は何でしょうか?

恵美Dr:美容外科医として、形成外科医として、そしてひとりの人生の先輩として尊敬する山𦚰先生が開院されたクリニックですし、ご一緒させていただくことで山𦚰先生が分析し、つくり上げる世界「お顔のかたちの動と静、土台となる骨、筋肉から軟部組織、皮膚の造形に至るまで」を共有できることに魅力を感じたからです。

私もお一人おひとりの目指す美しさと向き合いながら、みなさまがいきいきと毎日を過ごされるお手伝いができるよう一生懸命取り組んでいきたいと思っています。


YOUR FACE CLINICで働いていくことも含めて、恵美先生が普段からお仕事で心掛けていることはありますか?

恵美Dr:カウンセリングを含めて、私のところに来ていただいたからには、何かひとつでも来てよかったなと思っていただける、提案・施術を残すことです。せっかく時間を割いてきてくださっているので、お一人おひとりに来てよかったと思ってもらえる何か残したいと思っています。

特に力を入れている施術は何でしょうか?

恵美Dr:お顔全体の印象作りをする上で、パーツそれぞれの治療はもちろん大切なのですが、それらを繋げている皮膚の状態や質感、輪郭の形といった「トータルでの美しさ」を作っていくのが良いと思っています。なので、立体的で“動きでの不自然さがない”たるみ治療に力を入れています。

立体的とはどういうイメージでしょうか?

恵美Dr:平面の写真に写る姿や、各パーツだけを見たときの美しさを目指すというのもあるとは思うのですが、人間って動きますよね。動いたときに素敵な表情が作れるかが重要だと考えています。お話しする表情だったり、笑顔だったり、そういった自然な動きに皮膚と筋肉がついてきて、その人の魅力が伝わる形づくりにこだわっています。

気軽に相談できる“かかりつけ医”のような存在に

今、施術を検討している人へのアドバイスをお願いします。

恵美Dr:まず、なにより、自分が幸せであることが一番大切ということでしょうか。そのために、何をしたらいいのかわからないときや、ちょっと背中を押して欲しいとき、気になるところがあるなど、どんな状態でも私は受け止めますので気軽に相談いただければと思います。

美容医療は骨格や状態を診て、どの施術を受ければどんな変化が出るのかというがお一人おひとり違います。具体的な話は直接診てみないとわからないというところもありますので、まずはカウンセリングに来て“想い”を聞かせていただけると嬉しいです。

ひとりひとり状態も悩みも違いますもんね。

恵美Dr:例えば、“たるみ”って、その人の生きた歴史ですし、優しい表情にも繋がるので絶対に悪いものというわけではないんです。だから、絶対にたるみを消さなきゃいけないわけじゃない。でも、それが疲れた感じに見えて自分の自信がなくなってしまうきっかけになっているのであれば、少しでも明るくなれるようにどんなことができるのかを丁寧に診させていただきたいと思っています。

今後、どんなドクターになりたいと考えていらっしゃいますか?

恵美Dr:どんなにケアしていても、お顔というのはどんどん変化していくものです。加齢もそうですし、環境でも変わってしまう。その度に相談できる“かかりつけ医”のような存在になりたいです。

定期的に通っていただくだけじゃなく、少し離れていたとしても、ちょっとお顔で気になることができたときに思い出してもらえて、気軽に相談にきてもらえるような寄り添える関係が築けたらいいなと思います。

ありがとうございました!

今回インタビューを受けてくださった大島恵美先生の勤務日はこちらで確認いただけます。